はなちゃんのみそ汁 番外篇

亡き妻のブログ「早寝早起き玄米生活」アーカイブから

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しんどいときこそ、あえて笑う

にぎやかな僧侶たち

ここのところ、仕事やプライベートでトラブルが相次ぎ、むしゃくしゃする日々が続いている。そんな中、ウェイクボード仲間の2人の僧侶が遊びに来てくれた。

 

とびっきり新鮮なホルモンを手土産に。

結果的に陣中見舞いになった。

 

にぎやかな僧侶たち。彼らに学んだことは「しんどいときこそ、あえて笑う」。

不思議なもので、重苦しい場が、一気に明るくなる。ポジティブな行動が、ポジティブな心理を生むのである。

 

考えてみれば、命を取られるわけじゃない。

17年前に経験した死別の悲しみに比べれば、どうってことはないのだ。

 

あれやこれ。

まだ、いくつかの問題は抱えたままだが、

なんとかなるやろ。

 

彼らと語り合っていると次第に表情が緩む。

そんな僕を見た娘のはなが、ひとこと。

「パパ、ひとりじゃなくて、よかったね」

 

 

僧侶の2人が帰った翌日の晩ごはん。

残っていたホルモンとキャベツを炒めた。

娘の彼氏、寧守太(ねすた)といただいた。

 

 

うまいものを食べると元気が出る。

いつも、ありがとう。

 

 

Tシャツは「ヒトリ」だが、ヒトリじゃない。

 

 

 

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ごはんがいくらでも食べられるパパの白菜漬け

未来の食卓を想像しながら

幼い頃から慣れ親しんだ実家の白菜漬けが、なぜか無性に食べたくなった。

作り方を知りたくて、母に電話をした。

 

母は「白菜は、寒い時期に漬けた方がおいしいとよ。今は気温が高いからね」と言いながらも、教えてくれた。

 

半日、陰干し。

塩(白菜の重さの4%)を振る。

白菜の重さの2倍のおもしをする。

一晩寝かせ、水が上がってきたら下漬け完了。

白菜を軽く絞って、次は本漬け。

昆布と鷹の爪を白菜と一緒に漬けて、下漬けの半分の重さのおもしをする。

翌日、完成。

 

母の味には、まだ遠く及ばないけど、まあまあの出来。「ごはんが何杯でも食べられる」と、娘にも好評だった。

 

パパがこの世からいなくなった後、娘が家族のために白菜漬けを作ってくれたら、うれしい。「昔ね、おじいちゃんがママに作ってくれた白菜漬け。寒い時期に漬けたほうがおいしいとよ」などと、自分の子どもに語りかけながら。漬物には、そんな未来の食卓を想像させる不思議な力がある。

 

 

 



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家族に溶け込んできた娘の彼氏

遺影に手を合わせた理由

実家の両親に会いに行くため、自宅を出発する直前だった。

玄関にいた娘の彼氏、寧守太(ねすた)が、何かを思い出したような表情で靴を脱ぎ、和室にある妻の祭壇に向かった。「急にどうした?」と尋ねてみたが、彼は何も答えなかった。

 

遅ればせながら、翌日、気づいた。

「母の日」だったから、妻の遺影に手を合わせてくれたのだ。

 

 

そういえば、実家の両親も、ねすたのことを「ねすたくん」と呼ぶようになった。

紹介して丸2年。ようやく、名前を覚えてくれた。ねすたが同行することを事前に伝えておくと、父は饒舌になり、母は張り切って料理を作ってくれる。

 

どちらかというと人見知りな性格だったが、最近、家族に溶け込んできた感がある。

 

実家のネコは、ねすたに懐いているようには見えない。

 

 

 

 

 

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プレゼントの服選びは娘に任せておけば間違いない

母の日

最近、何かと理由をつけて、宮若市の実家に帰るようにしている。

5月11日は「母の日」。

娘と娘の彼氏寧守太(ねすた)を連れて、高齢の両親に会いに行った。

 

母へのプレゼントは、春ものの衣服。

実家に向かう途中、国道3号線沿いのユニクロに入った。

 

87歳の母に似合う服があるのか多少心配だったが、「大丈夫。私に任せて」と娘。

娘は学生時代、衣料品の店舗でアルバイトをしていたため、誰がどんな服を着れば似合うのかを瞬時に判断できる。誰に似たのか、センスがいい。妻でないことだけは明白だが。

 

 

娘が選んだ服は、薄手の黄色いカーディガンとナチュラルのクルーネックTシャツ。

確かに、これなら母にも似合いそうだ。

 

91歳の父へのプレゼントは、グレーのワッフルヘンリーネックTシャツ。娘によると、凸凹感のあるワッフル生地が用いられた「サーマル」は今、大流行だとか。保温性が高く、季節の変わり目にぴったりのアイテム。「グレーだったら、じいじにも似合うはず」と娘。

 

手土産を持って実家に到着すると、僕と娘の好きな料理が食卓に並んでいた。

 

 

いつも、ありがとう。

ごちそうさま。

 

 

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妻の胸の傷を見た娘の反応

入浴中の母娘の会話

娘が、7月に受診する健康診断の申込書を見せてくれた。

オプションの乳がん検査にもチェックが入っていた。

 

「ちゃんとわかってる」ということを伝えたかったのだろう。

僕は「いいことだね」と返事をした。

 

妻が乳がんと診断されたのは、結婚前。25歳のときだった。

今、娘は21歳。がん検診は決して早すぎることはない。

 

 

その申込書を見て、

幼かった娘が、妻の胸の傷を見たときの反応を思い出した。

 

 

おっぱい星人(2008年4月23日)

 

年長になった途端に、ムスメの就寝開始時間が1時間以上も早まっています。

 

園から帰宅後すぐに、自分で明日の準備に取りかかる。

夜6時半すぎ~7時にかけてくらいから、目をこすり出し、眠たいモードへ。

 

その後、夕飯途中くらいから「眠い・・・」と言い出すため、

新幹線並みの早さで全てのことを終わらせて布団に転がしたら、

あっという間に寝てしまします。

 

寝ている間に、細胞や脳みそはぐんぐん育っているのだ。

ムスメのココロと身体の成長にとっても、私にとっても、良いこと尽くめだわ。

 

心を込めて保育してくださっている諸先生方に心から感謝しつつ。

そのあとの夜の時間は、わたしのもの。うふふふ。

 

 

ところで、生後半年で、自然とおっぱい離れをしたムスメ。

その後は、一緒にお風呂に入っている時も、特に私も傷を隠しはしなかったし、ムスメも普通にしていたのですが。

 

その間、ばーばやねーねと一緒にお風呂に入ったり、ばーばと一緒に温泉に入りに行ったりしていたので、2歳くらいになったころから「おや? ママのおっぱいと他人のおっぱいは、どうやら違うらしい・・・」ということに気がついたようでした。

 

不思議そうに傷口をさわっていましたっけ。

 

そんなムスメが2~3歳のころに言った名言。


「おっぱい、ちょきんってされたの? 痛かった?

ママ、おっぱい買ってあげるね」


誰も何も言ってないし、何も教えてもないのに。

 

その言葉が生まれたときは、旦那と顔を見合わせて、びっくりしたっけ。


泣けた。

 

もう、十分だよ、ムスメ。

 

「おっぱい離れは大変よ~」と聞いていたので、覚悟はしていましたが、

生後半年で、それまで順調に飲んでいた母乳を、あっさりきっぱりと急に飲まなくなり。

 

「なんだ、おっぱい離れって、簡単ね ♪」とルンルン。

 

妊娠中と授乳中は長いこと定期検査ができなかったため、

「ムスメ、他の子よりかなり早いおっぱい離れやけど、ありがとう」と言いつつ定期検査受けたら、肺に転移が見つかってたっけ。

 

今振り返れば、ムスメは生後半年にして、がんに再び侵され始めていた私のおっぱいの味の異常に気がついていたんだろうな。それで、見向きもしなくなった。

 

そういうのを思って振り返ると、転移や再発のターニングポイントには、必ずムスメの言動に変化がありました。

 

わかってるんだ。


この人は、5歳にして全てをわかっているんだ、と今更ながら思う。

私なんかよりも、すっごく大人だ、と思う。

私が5歳のころなんて、ハナタレでしたもの。

 

子どもの格好をした大人なムスメだ。

 

でも、大人なはずのムスメなんですが・・・

 

最近、急に、おっぱいに興味を抱き始めました。

 

毎日ではないけれど、一緒にお風呂に入っている間なんかに、おっぱいをぺたぺた触ったり、「おっぱい飲んでもい~い?」と聞いてきたりします。

 

そんなときは、好きなようにさせてあげます。

 

今しかできないんだもんね。

 

今まで我慢してただけなんだもんね。

 

「おっぱい触るときも、けっこうエロ目になってます♪」

 

 

 

 

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頑張った娘の彼氏にご褒美

イチゴ大福

娘の彼氏、寧守太(ねすた)が、5泊6日の沖縄遠征から戻ってきた。

大学のサッカー大会。ねすたにとっては、学生生活最後の公式戦だった。

残念ながら、2回戦で敗退したそうだが、1回戦の久留米大との試合ではゴールも決めた。

 

勉強にアルバイトに部活。

よく頑張った。

 

 

ご褒美は、パパの手作り和菓子。

 

 

ねすたは甘党。

 

 

甘党ではない娘も、イチゴ大福は大好き。

「パパすごい。これ、カフェで出せるやん」と高評価。

 

 

ママも食べり。

 

 

うまかやろ。

 

 

 

 

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今も昔も娘の喜ぶ顔が明日への原動力

手作りコロッケ

娘の「あの顔」が見たくなって、久しぶりにコロッケを作った。

はな10歳。パパの手作りコロッケに大喜び(2013年9月8日)

 

コロッケは手間がかかる。

 

 

ゆでたジャガイモをつぶし。

 

 

(ワインを飲みながら)ひき肉を炒め。

 

 

(ワインを飲みながら)ジャガイモとひき肉を混ぜ合わせ。

 

 

(ワインを飲みながら)丸めて。

 

 

出来上がったころには、酔っ払い。

 

 

たくさん食べてくれた。

娘の喜ぶ顔も見ることができた。

元気が出た。

これまでも、ずっとそうだった。

ありがとう。明日も頑張ろう。

 

 

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妻は死ぬまでロックな生き方を貫いた

コンサートでの鉄板ネタ

声楽家だった亡き妻が、コンサートのときのMCで多用していたフレーズがある。

 

 

わたくしは、

 

写真撮影は2000円です。

 

握手が900円。

 

ハグが500円。

 

キスが300円。

 

と、なっております。

 

自分のブログにも顔を載せてないので、ご理解いただけているかとは思いますが、

見るに耐えない姿ですので、正面からの写真は、ぜひともご遠慮ください。

 

 

もちろん、会場は大爆笑。

妻の鉄板ネタだったが、実はこれ、綾小路きみまろさんのパクリである。

 

 

完治が厳しくなり、がんとの共存に切り替えた時期には、

きみまろさんのこんな言葉をよく引用していた。

 

 

「私の希望は、現状維持。それが一番。

欲を出せば、足元をすくわれる」

 

 

がんであっても悲壮感を漂わせることなく、好きな歌を歌いながら、つらく苦しい状況を笑い飛ばす。妻はクラシック音楽を専門としていたが、生き方はロックだった。

 

ちょっと、そこのあなた。写真1枚2000円よ。

 

 

これ、めちゃくちゃおもしろいです(注:中高年向き)。

 

 

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親がうれしい娘への贈り物

まとまらない家族会議

もうすぐ「母の日」。実家の母に何を贈ろうか、と考えていたところ、

亡き妻が娘の誕生日プレゼントについて書いたブログのことを思い出した。

 

以下、そのときの家族会議の内容。

アホな夫婦のアホな会話をお楽しみください。

 

 

誕生日の贈り物うんぬん(2008年2月20日

 

というわけで、ムスメに送るプレゼントは、
基本的に「お誕生日おめでとう」の言葉以外は、ないのですが。

昨日、私のははから、

 

「欲しがっていた、うさはなちゃんのランドセルが、岩田屋価格より半額になってたから思わず買っちゃったわ~~よかったかしらあ?」

 

とメールが入りました。


「え。そーなの? もう買っちゃったんでしょ。じゃあ、いいよ。それで」

というわけで、入学まで1年以上もあるというのに、ランドセルが届くことになっとります。

 

それを聞いた旦那。

「えっ!じゃあ、わかみやのばーば(旦那の母)には、別の物を頼もうねえ~。
そうだねえ~~~。せっかく買ってもらう物だから、6年間きちんと使える物がいいよねえ~~。そば打ち道具とかどうね?」

 

 

わたし「いいねえ~~~~。でもさあ、クリステルの鍋セットとかでも、いいよねえ~~~」

 

 

というわけで、ムスメちゃあ~~~ん、

わかみやのばーばに、頼んでくれんね?

 

 

そうして、プレゼントの内容がほぼ決まりつつあった段階で、

旦那がムスメに聞いてみた。

「プレゼントは、何がいいね?」

ムスメ「消しゴム♪」

 

わたしたち「ええええええっ!それ、絶対ばーばに言ったらいかんばい。

もっと他のば言わんね」

 

ムスメ「え?じゃあ、えんぴつ♪

 

旦那「ええっ!それも、絶対言ったらいかんばい。それならパパが買っちゃーけん」


家族会議は、こうして、続くのである・・・

 

 

 

追記

 

家族会議はまとまらなかったが、妻が娘の誕生日を機に、みそ汁作りを教えたことが、その後の娘にとっては、一生もののプレゼントになった。(撮影日:2008年2月22日)

 

 

 

 

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亡き妻にセカンドプロポーズ

手作りの指輪

妻がどこかで紛失したとばかり思っていた。

僕が25年前の彼女の誕生日にプレゼントした手作りの指輪が出てきたのだ。

 

2000年1月27日、仕事を終えた僕は、取材で知り合った鋳金作家の工房に向かった。彼の指導で銀粘土をリング状に成形し、窯で焼成。焼き上がった銀の指輪を徹夜で研磨した。翌日、25歳になった彼女にピカピカに磨き上げた指輪を手渡し、僕は「結婚してほしい」と伝えた。

 

妻が他界した後、その指輪は、どこを探しても見当たらなかった。

先日、自宅マンションのリフォームの際、靴箱の中を雑巾で拭いているときだった。

奥の方に、妻が好きだった紅茶のケースがあった。

ふたを開けると、中に指輪が入っていた。

 

 

黒く変色していたが、それは紛れもなく、僕が彼女に渡した銀の指輪だった。

 

 

あの日を思い出した。

 

 

古くなった指輪で申し訳ないけど、

あらためて、受け取ってほしい。

いつかまた、僕と結婚してください。

 

 

 

 

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菓子をもらうときは家族の人数多めに申告する娘

反射神経の良さ

地元の食品製造販売会社に就職したばかりの娘。連日、新入社員教育を兼ねた現場の仕事に励んでいる。「覚えることばかりで、頭の中がパンパン。まったく余裕がない」と言いながらも、表情は生き生きとしている。仕事にやりがいを感じ、上司や同僚たちとの関係も良好なのだろう。

 

先日、娘がパートの女性から菓子をもらって帰ってきた。

「はなちゃん、塩豆大福あげるね。家族は何人?」と尋ねられ、すかさず「3人です」と答えたらしい。正確には、娘とパパの2人家族。もう1人は、亡きママのことだったのか。それとも、娘の彼氏だったのか。いずれにせよ、相手の質問にパッと答える反射神経の良さと的確な判断力をほめてあげたい。

 

 

パパの好物である塩豆大福を3個ゲット(ひとつは娘が仕事帰りに食べた)。

でかした、娘。

 

 

www.asahi.com


これ絶対うまいやつ

 

 

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料理を作る気にならない夜

誰かのためなら作るけど

娘から「今夜は会社の新人歓迎会やけん、晩ごはんは、いらんよ」と連絡があった。そんな日に限って、娘の彼氏もサッカー部の遠征。ひとりの夜は、何も作る気がせず、夕食はカップ焼きそばとチョコアイス。

誰かのためだったら料理をつくるけど、自分のためとなると面倒で、適当になってしまう。いずれは独り暮らし。自分のために料理を作らなければ。そう思いつつも、なかなかできない。

 

 

 

 

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金髪にイメチェンした娘の彼氏

今しかできないこと

娘の彼氏、寧守太(ねすた)が頭を金髪に染めた。突然のイメチェンに驚かされたが、なかなか似合っていると思う。

 

ええこっちゃ。

金髪にしても、腹は減る。夜11時ごろ帰ってきて、タコ焼き(10個)を食べていた。

 

ねすたを見て、思った。

 

61歳。体が元気なうちに、何か新しいことにチャレンジしてみようか。

今だからできること。今しかできないことを(注:金髪イメチェンではない)。

 

 

おまけ↓

パパがねすたと同じ年齢(21歳)の頃。この写真を撮った後、大学の剣道部の道場で素振りをしていたら、先輩に怒鳴られ、バリカンで丸坊主にされた。妻は生前、「この頃のしんちゃんに会っていたら、絶対に付き合ってない」と言い切った。初めてのパツキンは、すこぶる評判が悪かった。

 

 

 

 

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初任給をもらった娘が僕にしてくれたこと

父子の17年間を振り返りながら

ひと月ほど前、その日の夜を空けておくように、と娘から言われていた。

目的を聞いても、教えてくれなかった。

 

娘が指定していた日になった。

夕方、「19時10分に地下鉄の駅前に来て」とだけ、スマホにメッセージが送られてきた。

 

仕事帰りの娘と駅前で落ち合った。

向かった先は、先月まで3年間、娘がアルバイトでお世話になった寿司店。娘は今月就職した会社から初任給を受け取ったばかりだった(正確にはお祝い金)。

 

まさか、娘に寿司をごちそうしてもらえる日がやってくるとは・・・。

のれんをくぐると、店を経営するご夫婦が、いつもの笑顔で出迎えてくれた。

 

 

僕は、カウンター席で、父子2人で暮らした17年間を思い出していた。

 

妻が他界した後、毎朝、みそ汁を作ってくれたこと。

いつも延長保育ギリギリの時間に娘を迎えに行ったこと。

僕の迎えを待ち侘びていた娘が抱きついてきたこと。

深夜、娘が高熱を出し、急患診療センターに駆け込んだこと。

僕の誕生日には友人たちを自宅に招き、サプライズでお祝いをしてくれたこと。

いじめを受け、学校に行けなくなったこと。

高校時代は、2年近く、まともに口をきいてくれなかったこと。

一生付き合える友人ができたと打ち明けてくれたこと。

自宅で倒れ、意識を失った僕を介抱してくれたこと。

大喧嘩をしたこと。

大学に合格し、泣いて喜びあったこと。

交際中の彼氏を紹介してくれたこと。

 

そして、今春、第一志望だった地元の食品会社に就職。

 

17年前、僕は絶望を感じていた。

周囲から「時間が薬」と励まされた。

けれども、生きることを前向きに考えるなんて、できなかった。

仕事は手につかず、酒に逃げた。

1分1秒、気が狂いそうになるほどの苦しみだった。

「時間薬」が効くのは、一体いつなのか。

それまでの日々を生き抜く自信がなかった。

 

生きるとは、こんなにもつらいことなのか。

そう感じていたあのとき。

こんな日が来るとは想像もしてなかった。

 

娘がとっくりを差し出しながら、ポツリとつぶやいた。

「初めてのお給料をもらったら、この店でパパと飲もうって、ずっと前から決めてたの。これまで育ててくれて、ありがとうね」

 

 

生きててよかった。

一生涯、忘れられない夜になった。

 

撮影:すし宗の大将

 

 

娘と飲んだ「寒北斗」と「有加藤」。

 

 

 

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ブログの話題が娘の彼氏に偏る理由

春の食べ物

最近、娘の彼氏の寧守太(ねすた)の話題ばかり。このままでは「ブログのタイトルと内容が違うじゃないか」などと反感を買いそうだ。

 

「はなちゃんのみそ汁」改め「ねすたの食日記」に変えた方がいいのだろうか。

 

4月は、娘が新入社員研修で忙しいことも理由のひとつ。ねすたと一緒にいる時間が多いため、どうしても、ねすたの話題に偏ってしまう。安武家の現状をどうかご理解いただきたい。

 

というわけで、4月も後半。

今年はまだ、タケノコを食べてなかったことに気づいた。

 

あわてて、宮若市の実家に連絡し、母にタケノコを確保してもらった。

 

都会のデパ地下では、とんでもない高値で売られている。タケノコは、買うものではない。もらうものなのだ。わが家の家訓である。

 

2年前、ねすたを山に連れて行って、一緒にタケノコを掘った。以来、タケノコは、ねすたの好物になった。

 

今年も、ねすたに食べさせたい。

母にタケノコを分けてもらって、さっそく、煮物にした。

タケノコは、ゆでてアク抜きをする。

豚肉と一緒に煮込む。昆布とかつお節のだしに、薄口しょうゆ、みりん、日本酒。

母が、2月に採取したツクシを冷凍保存してくれていたので、卵とじに。ねすたは、「ツクシを食べるのは人生で初めてです」。

食事中の写真を撮り忘れたので、AIに描いてもらった。

 

 

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